ここでは、クラスター内で稼働しているアプリケーションに外部からアクセスするために、KubernetesのServiceオブジェクトを作成する方法を紹介します。 例として、2つのインスタンスから成るアプリケーションへのロードバランシングを扱います。
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 まだクラスターがない場合、Minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください: kubectl version
.
クラスタでHello Worldアプリケーションを稼働させます:
kubectl run hello-world --replicas=2 --labels="run=load-balancer-example" --image=gcr.io/google-samples/node-hello:1.0 --port=8080
このコマンドは Deployment オブジェクトとそれに紐付く ReplicaSet オブジェクトを作成します。ReplicaSetは、Hello Worldアプリケーションが稼働している2つの Pod から構成されます。
Deploymentの情報を表示します:
kubectl get deployments hello-world
kubectl describe deployments hello-world
ReplicaSetオブジェクトの情報を表示します:
kubectl get replicasets
kubectl describe replicasets
Deploymentを公開するServiceオブジェクトを作成します:
kubectl expose deployment hello-world --type=NodePort --name=example-service
Serviceに関する情報を表示します:
kubectl describe services example-service
出力例は以下の通りです:
Name: example-service
Namespace: default
Labels: run=load-balancer-example
Annotations: <none>
Selector: run=load-balancer-example
Type: NodePort
IP: 10.32.0.16
Port: <unset> 8080/TCP
TargetPort: 8080/TCP
NodePort: <unset> 31496/TCP
Endpoints: 10.200.1.4:8080,10.200.2.5:8080
Session Affinity: None
Events: <none>
NodePortの値を記録しておきます。上記の例では、31496です。
Hello Worldアプリーションが稼働しているPodを表示します:
kubectl get pods --selector="run=load-balancer-example" --output=wide
出力例は以下の通りです:
NAME READY STATUS ... IP NODE
hello-world-2895499144-bsbk5 1/1 Running ... 10.200.1.4 worker1
hello-world-2895499144-m1pwt 1/1 Running ... 10.200.2.5 worker2
Hello World podが稼働するNodeのうち、いずれか1つのパブリックIPアドレスを確認します。
確認方法は、使用している環境により異なります。
例として、Minikubeの場合はkubectl cluster-info
、Google Compute Engineの場合はgcloud compute instances list
によって確認できます。
選択したノード上で、NodePortの値でのTCP通信を許可するファイヤーウォールを作成します。 NodePortの値が31568の場合、31568番のポートを利用したTCP通信を許可するファイヤーウォールを作成します。 クラウドプロバイダーによって設定方法が異なります。
Hello World applicationにアクセスするために、Nodeのアドレスとポート番号を使用します:
curl http://<public-node-ip>:<node-port>
ここで <public-node-ip>
はNodeのパブリックIPアドレス、
<node-port>
はNodePort Serviceのポート番号の値を表しています。
リクエストが成功すると、下記のメッセージが表示されます:
Hello Kubernetes!
kubectl expose
コマンドの代わりに、
service configuration file
を使用してServiceを作成することもできます。
Serviceを削除するには、以下のコマンドを実行します:
kubectl delete services example-service
Hello Worldアプリケーションが稼働しているDeployment、ReplicaSet、Podを削除するには、以下のコマンドを実行します:
kubectl delete deployment hello-world
詳細は serviceを利用してアプリケーションと接続する を確認してください。
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